社団法人日本青年会議所中国地区鳥取ブロック協議会 コミュニティビジネス
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● コミュニティビジネスとは
一般的には『地域住民が主体となって地域の課題や問題を解決する事業』などと言われています。ではコミュニティビジネスは”まちづくり”、”むらおこし”、”産業活性”などとなにが違うのでしょうか?
また、地域の課題なんて昔からたくさんある中で、コミュニティビジネスは何を私たちに提供してくれるのでしょうか?
ここでは、コミニュティビジネスについて『コミュニティ = 地域』の中の課題解決に目を向けながら、わかりやすく紹介していきたいと思います。
● 『コミュニティ = 地域』って何?
私たちの身近な地域社会は、各個人を中心に家族、団体、企業、役所等の各主体が助け合い、つながりをもちながら、集団・共同体となって形成されています。
このような地域をコミュニティといいます。
また、コミュニティには『人』意外にも、農林・水産物、自然環境、祭り、伝統文化など、目に見えるものやまたまた普段気づかないものを含め多くの資源が存在しています。
コミュニティを語るにあたっては、このような地域資源は切っても切れない関係にあります。
● 解決すべき課題とは
今、コミュニティの中にある様々な課題や問題を解決していこうとする場合、このように多くの人的、物的資源が存在するコミュニティの中で果たして皆の利害は一致するのでしょうか?
コミュニティを構成しているのはあくまでも個人の集団であり、個々それぞれにもつ課題も違います。そのため、すべての課題をそのコミュニティで解決することは難しいでしょう。
そこで、まずはそのコミュニティの中で本当に困っている人やニーズを把握することが先決です。
そのためには、あなたが本当に困っていることが何かを考え、何が不足しているのか、何が求められているのかを話し合うことが大切です。
個人個人悩みや問題はたくさんありますが、例えば
子育ての悩みがあって・・・
排気ガスで喘息が再発して・・・
失業してローン返済が・・・
作った野菜が売れなくて・・・
会社の経費削減の方策について・・・
車椅子の移動が不便で・・・
等々数え切れないと思います。自分自身考えて見ましょう。
ちなみに地域が抱える諸問題
○ 高齢者の1人暮らし世帯が多く、生活に不便をきたしている。
○ 同居している高齢者が心配で、仕事に出られない。
○ せっかく地域の特産品や観光資源があるのに、ビジネスにつながっていない。
○ 農業従事者の高齢化が進み、農業生産に従事できる人がいなくなってきている。
○ 空店舗等が増えてきており、地域が衰退している。
○ 家庭用生ゴミや廃棄物の量が多く、有効活用できたらよい。
等々あります。皆さんの地域にも該当するものがあるはずです。
● 課題の優先順位をつけよう
コミュニティにおいては個人の問題だけではなく、地域全体の閉鎖性や風習等で問題になっている場合もあり、余計に地域が複雑になっている場合があります。
そこで、このような複雑に絡み合った地域の課題を解決していくためにも本当に誰が困っているのか優先順位付けが必要になってきます。
● 『課題』や『困っている人』のランクを見極めよう
優先順位づけを行なうには、コミュニティの課題にランクをつけていくことが大切です。その際、『生命』・『生活』・『便利』・『豊か』の4つの軸でみることにしましょう。もちろん病気・安全・防災等、これを解決しないと生命に関わるような課題は緊急度が高いということが判っていただけると思います。また、もっとおいしいものを食べたい等、これを解決できたらもつと豊かになる課題は緊急度が低いといえます。
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緊急度高い ↑ ↑ ↓ ↓ 緊急度 低い |
それを解決しないと 生命に関わること |
病気、アレルギー、精神苦痛、身体的障害 食の安全、防災・・・ |
|
それを解決しないと 生活に困ること |
仕事、高齢者介護、子育て、教育、ゴミ 環境保全、自然保護・・・ |
|
|
今でなくても、ゆくゆく 便利になること |
IT活用、低価格商品、通販、宅配、御用聞き 交通アクセス・・・ |
|
|
解決できたら、もっと 豊かになること |
もっとおいしいものを食べたい もっと余暇を楽しみたい・・・ |
● 課題を解決できる人は誰?
このように優先すべきコミュニティの課題が見えてきたら、それでは次に、それぞれの課題を解決できる主体は、一体誰でしょうか?
市役所、役場、商工会、農協など公共・準公共などがすべきことは、『生命』『生活』を保証することです。『便利』や『豊かさ』の追求はどちらかと言えば民間に任せたほうが良いでしょう。
一方で民間(企業)は、限られた人たち(サービス対価を支払う人、従事する人)の利益を追求していく場合が多く、営利目的の論理では解決できないことがコミュニティの課題ではでてくるでしょう。
そこで、これまでのサービスだけでは対応できない課題を解決するために、第3の道として、NPO(特定費営利活動法人)や個人、さらに民間企業等が行なう新しい事業展開が委ねられてきます。
『従来のサービス』が出来ないことって?
|
優先度 |
ステージ |
公共 自治体 |
準公共 |
ボランティア |
NPO |
個人 |
民間企業 |
|
高い 低い |
生命 |
◎ |
○ |
○ |
△ |
△ |
○ |
|
生活 |
◎→○ |
○ |
△ |
○ |
○ |
◎ |
|
|
便利 |
○→△ |
△ |
△ |
○ |
◎ |
◎ |
|
|
豊か |
△ |
△ |
△ |
◎ |
◎ |
◎ |
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コミュニティビジネスの領域
● 始めよう!コミュニティビジネス
このように、コミュニティの課題において役所などの公共機関や民間企業の従来のサービスだけでは解決できない領域を『コミュニティ・ビジネス』という言葉で表すことができます。
すなわち、コミュニティの課題解決をコミュニティを形成する各主体自らが行なうのがコミュニティビジネスです。何でもかんでも役所などに頼ることでなく、コミュニティの課題はコミュニティが解決、私の課題は私が解決するといった自立型の地域づくりが大切になってきます。
また、コミュニティビジネスはボランティアとして無償の奉仕をするのではなく、サービスの対価(料金)を得ることにより、継続したサービスを提供し、地域内の雇用や経済循環も生み出していくサービス業と言えます。
コミュニティには、高齢者の日常生活支援や介護などの福祉分野、ごみ処理やリサイクルなどの環境分野、農業に就いている人が極端に高齢化している問題、まちづくりや育児・教育問題などさまざまな課題があり、それらに伴う地域住民のニーズがあります。そこに新しいビジネスの芽があると言えます。
そう考えた時、コミュニティビジネスとして地域にどんなサービスを提供できるのでしょうか?
自分自身が地域に提供できることを考えてみましょう。
コミュニティビジネスを始めにあたって
● 事業展開のプロセス
『コミュニティビジネス』とは自立型の地域づくりという性格をもったビジネスです。しかし最初から立派な事業として運営を行なうのはなかなか難しいと思われます。
一般的な事業展開のプロセスとしては
@ 最初は地域の活動レベルからの取り組み
A 次に活動を進めていくうちに地域の信頼が生まれ、継続性が確保されます。その際に大事なことはローリスクでロングリターンで運営していくことが重要になります。
B 次に、そこから発展した形として、団体や有限会社などの組織化(法人化)を行い、ビジネスとして事業展開ができるようになっていくと思われます。
また、季節性のあるさまざまな事業を組み合わせることで、通年性を確保し、適正利益のビジネスとして事業を継続させていく工夫も必要になってきます。はじめから、ビジネスとして成り立つことは少なく、生活に根ざした問題やニーズに対応していく取り組みからスタートし、その事業を発展させていく過程をたどる場合が多いと思われます。
● ニーズの把握
ビジネスとして成り立つためには、ニーズにあったサービスでなければなりません。
自分たちの強みとは何か、どんなサービスを、誰に、どのように提供していくかを地域のニーズを把握しながら考えていく必要があります。
サービスの範囲としては、先に取り上げたとおり、『生活』・『便利』・『豊か』の欲求に関わる部分へのサービスが主体となるでしょう。
その際に、サービスを提供する相手の課題やニーズを把握するためにしっかりとした情報収集(マーケティング)を行なったうえで事業を始めることが重要となります。
● ビジネスの適正規模
コミュニティビジネスの規模としては、その地域のサイズにあったものを考え、適正規模、適正利益のビジネスを考えていくことが大切です。サービスを提供する側は、焦って出来ないことを無理にやらないように留意しなければなりません。
● 年間サービス量の上限を決定する。
サービス業においてできる範囲で無理をしないということは、どのような意味なのでしょうか?
コミュニティビジネスはあくまでもビジネスであって、自己満足で行なうボランティアであってはならないのです。
そこで、その範囲を明確にするためにも、目標値を数字で設定することが大事です。すなわち年間おこなうサービス量の上限値を決めて、それ以上の経費を使わないということです。
『コミュニティビジネス』のようなサービス業を展開するには何よりも信頼感が大事です。
この信頼感というのは、ボランティアのように尽くすことで得ることではなく、安価で良質、安定的なものを継続的に提供することで得られるものです。
余分な経費は使わない。
@ 専門的すぎる領域はしない = 民間企業にお願いする
A 持ち出し・手弁当で装わない = そこまで誰も求めていない
B 無料サービスをしない = 対価を貰えないものはしない
C 過剰な在庫を持たない = 作りすぎる必要はない
D 断る勇気を持とう = 無理したら続かない
● コミュニティビジネスの5つの基本要素
『コミュニティビジネス』がサービス業であることは理解していただけたでしょう。
サービス業を展開するにあたって、地域の『ヒト』が自立的に課題を解決していく必要があることはこれまで述べてきました。
ただし、地域には『ヒト』以外にも『モノ』『カネ』『ノウハウ(情報)』『インフラ(場所)』という5つの資源があります。コミュニティビジネスを行なうにあたっては、ヒトが動くだけなく、この5つの要素が有機的に組み合わさることで本当のサービスを提供することが出来るのです。
何が地域資源か?何と上手く組み合わせると地域の課題を継続的に解決し、ニーズに対応できるか?
また、事業開始にあたっての資金調達をどうするのか?何人で運営し、サービスの対価(料金)をどう設定するかなど収入と支出を考えた財務管理は不可欠となります。
このように地域でのサービス業の運営にあたっては、資源のバランスを考えながら事業として成り立つように進めることが基本となります。
あなたの身の回りにある地域資源を考えてみましょう。
コミュニティビジネスの運営方法
● コミニュティ・ビジネスを運営する新しいリーダー像
先程の5つの基本要素からなる地域資源の有機的組み合わせが『コミュニティビジネス』の原点になります。ただし、このような資源を有機的に結びつけるためには、従来のような強力なリーダーというよりも、コミュニティに存在する地域資源を有機的につなぐことが出来るコーディネーターのような存在が必要です。
このような新しいリーダーは一般的に『市民起業家』といわれ、以下のような要素を持つ人物像です。
@ 起業家精神旺盛である
A 明確なビジョンを提示できる
B ビジネス感覚をもあった人物である
C コミュニティを意識した活動ができる
D リーダーシップを発揮できる
E 協働作業を推進する人物である
F チーム内で補完的行動をする
G 枠組を超えたネットワーク構築が可能
H 人々の合意形成ができる
I 長期的・継続的に活動できる
(望ましくない姿)
・ 特定のグループや企業、コミュニティのみへの利益優先をする
・ すべて自分1人の判断だけで行動してしまう
・ 金銭の参加だけで、活動に参加しない
・ 反対論ばかりを唱えて建設的な意見をださない
・ 独自性のみを協調し、他を受け入れようとしない
(必要な姿)
・ 地域と社会情勢・市場経済をうまく関連づけて活動を展開する
・ お互いを補完し、チームをコーディネイトしながら活動する
・ 周辺の人々をプロセスに参加させ、多数の合意形成を実現する。
・ 起業家精神旺盛で、大きな視点(グローバル)で考え、地域的(ローカル)に行動する。
● コミュニティ・ビジネスの運営における役割分担
コミュニティビジネスは継続的・安定的にサービスを提供することで、地域の課題を解決していくものです。絶対的なリーダーが必要なのではなく、市民起業家というコーディネーターのもと、特有の地域資源をもつ人たちと協働で解決していくことが運営の早道です。
そのためには、先にあげたように、自分が地域に対して何が提供できるのか、しっかりと考えそれを地域のためにつかうべきなのです。あなたは、主体的に事業を進める仕掛人ですか?それとも、応援団として仕掛人に自分の資源を提供する側ですか?あなたのスタンスをはっきりさせましょう。
@ 顧客提供
A ノウハウ的提供
B 金銭的提供
C 物的提供
D インフラ的提供
E 労働的提供
● コミュニティビジネスの運営におけるお金の使い方
コミュニティビジネスを運営するにあたって、お金の流れる仕組みをどうつくるか?という点は非常に頭を悩ませます。
基本は原点に帰ることです。地域内で発生したお金はその地域内を循環することが一番望ましい。そのためねその地域を動かす人たちにお金が回る仕組みを創っていくことが大切なのです。
すなわちコミュニティビジネスはサービス業であるため、地域で困っているが、地域より価値を提供してもらったら、それに対価を払うのです。また、よく自分のお金を持ち出して地域に良いことをしようというボランティア的な方もおられますが、これでは長続きしません。地域に価値を提供している人(汗をかいている人)にはしっかりと人件費を払う事が大切なのです。そうすれば、継続的にそのような方たちも継続的なサービスが提供できるようになるのです。
● コミュニティビジネスの運営におけるPRノウハウ
コミュニティビジネスを継続的・安定的にすすめていくためには、地域の人たちにそのサービスを提供する組織の存在価値を示さなければなりません。そのためには、口コミを基に知ってもらうことがスタートです。ただし、知ってもらっても、その後興味を持ってその価値を検討してもらい、実際にサービスを受けるまでは長い道のりを要します。仮に100人に知ってもらい30人が興味を持ってもらっても、実際本当にほしいサービスと思っていただけるのは果たして何人いるのでしょう。
このように見込み客をつくるのは、大変なプロセスを要しますが、あきらめてはいけません。当事者達はいろんな場面でアピールして汗をかくべきなんです。そして、それを応援する人たちも一緒になってPR活動をしていきましょう。
● 地域に好循環を生み出すコミュニティビジネス
以上のように、地域の人たちが、地域のよさを見つめなおし、一丸となって汗をかいていれば、自分たちに還元されることになるのです。すなわちコミュニティビジネスは自分に好循環をもたらす可能性を大いに秘めているのです。
そのためには、自分から何ができるのか自発的に考え、そして自分が動いていくことで、地域のニーズにあったビジネスに結びついていくのです。
【自発性】 → → → 《地域を知る》 → → → 【自立的】
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≪地域を変える≫ 好循環 《地域を考える》
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【体験型】 ← ← ← 《地域で働く》 ← ← ← 【主役観】
活動事例
■ 高齢者・障害者福祉
・ 自宅などを開放デイケアサービスやグループホームを提供
・ 買物代行、送迎支援、配食サービスを提供
■ 環境保全・リサイクル
・ 商店街のごみ問題を解決するための空き缶回収運動
・ 家庭で発生する廃油を再生して石鹸等を製造販売
・ 地域で発生した廃品などのリサイクル
■ 子供の健全育成
・ 子供向け環境教育プログラムづくりと実践
・ 不登校児のための交流や自由な学習機会の提供
■ 商店街活性化
・ 商店街の空き店舗を活用してチャレンジショップを導入
■ 地域の子育て支援
・ 託児・保育を引き受ける子育て支援サークル
・ 不登校児向けのスクール運営
■ 文化・スポーツ振興
・ 地域に映画の上映施設や美術の展示施設を創出、運営
・ 地域対象のスポーツ、文化教室の運営
■ 特産品の加工・販売
・ 地域独自の産品を開発、製造、販売
■ まちづくりの支援
・ 地域の伝統文化や歴史資源を発掘して観光に結びつける
・ 地域住民向けのHPや情報誌を作成
・ 地域特性のある食材を活用したまちづくり